人生のきわみ

僕は山本周五郎氏の小説に出てくる

「きわみ」という言葉に惹かれる


きわみとは・

これだけはどうしてもゆずれない
ここからは一歩も引けない
これは絶対許すことができない

こうしたギリギリのいわば崖っぷちの状況である

そんな状況における

人間の心理と行動を描く作品が山本周五郎氏の小説には多々ある

そしてそれは権威や権力¥才能をの持つ

いわば「強者」のきわみではなく、

下町のごく普通の人間で才能もなく、

日々の生活にも困るような

そういう

「どうしようもない人間」

いわば弱者たちが

きわみというぎりぎりの選択が必要になったときの

決断のとき

何を思い、どう行動するのかを描く

決して英雄や成功者の物語ではない

だから僕は惹かれる

そこに「どうしようもない人間」であっても、

その人間の持つ「本当の姿」が見えてくる

人間は

「本当のきわみ」経験するかしないか、

そしてそこで如何に決断するかによって人生が変わる

そこには人間の激情だけであり、

決して論理的な思考ではないと思う

激情こそが人生を変えることのできるものであり、

激情の生まれない人生は何も変わらない

そのためにも「きわみ」のようなギリギリの状況が

人間には必要なのかもしれない

僕はそう思う。