今の自分が地獄だと思うのは「知らない」から

僕は昔から何らかの病気で盲目になるのことがとても怖かった。

でも、あるときテレビで盲目の人にインタビューしているのを聞いた。

彼は目が見えないことをしっかりと受け止めていて、

その中で学ぶ楽しさや出会う楽しさを感じていました。

更に驚くことに彼は白い杖を突きながら、「不便なことはあんまない」

とまで言っていました。

入会の素晴らしさや学ぶ喜びに目が見えないことは関係ないということを

僕に教えてくれたのです。

目が見える僕たちには目が見えない人生に楽しさを見いだすのは難しい事です。

でも彼は人生に楽しさを見いだしていたのです。

僕にはまだまだ知らないことが沢山あります。

目が見えない人の心が「元気」であることを「知る」だけで僕には新たな希望が

湧いてきました。

僕の価値観はこれまでの僕の知識と経験から作り出された小さな小さな価値観である

ということに気がついたのです。

不安なのは「知らない」からなのだと思います。

現状の自分に未来があるのか? 

何をどう努力すればよいのか分からない。



そんな心の状態が不安を増強させてしまいます

つまり未来への努力の方法を「知らなかった」から不安だったのです。

僕と同じような環境で人生に生きがいを感じてことができる人が存在することを

「知る」だけで自分にも未来があることを確信できたのです。

もう一つ僕が「知る」ことによって勇気をいただいたことがあります。

それはあの有名な車いすの物理学者ホーキング博士の存在です。

彼は多発性硬化症という難病にも関わらずアインシュタインにも勝るとも劣らない

物理学者になっていることです。

多発性硬化症である彼は日に日に病気が進行し体の機能が失われてゆくのです。

これは僕とは全然違います。

僕は脳卒中で左半身の機能は大幅に失ったけれども、今後はリハビリによって

回復する可能性もあるわけです。

しかしホーキング博士は回復する可能性はないのです。未来はどんどん体の機能が

失われてゆくのです。これは希望が失われることと同じではないかと思うのです。

彼は二十歳で発病し、それ以降日に日に体の機能を失っていったのです。

最後には顔の動きと目の動きだけでしかコミュニケーションをすることが

できなくなってしまっているのです。

にも関わらず偉大な物理学者となっているのです。

このことを「知る」だけで僕にはまだまだ大きな未来があることを感じることができるのです。

以下はホーキング博士のホームページを翻訳したURLですが、

http://www2u.biglobe.ne.jp/~tahara/Hawking.htm


その中の下記の文章が僕に大きな勇気を与えてくれました。

「私は成人期の全てにおいて、事実、運動ニューロン疾患と共に暮らしてきました。でも、だからといって、そのことは私に愛する家族を持ち、仕事の上でも成功するということの妨げにはなりませんでした。」

「知る」ということは、自分の殻の中から飛び出すことができるのです。

「知らない」から怯え、不安になると思うのです。

不安とその人の状況とは何の関係もないと思っています。

どんな状況でも不安になる人は不安になるし、不安にならない人は何も不安を感じません。

例えば一人でいるとき、孤独を感じる時と孤独を感じないときがあります。

ひとりでいることが孤独ではないのです。

孤独はその人の心が孤独だと感じていると孤独になるのだと思います。

逆に言うと大勢の人の中でも孤独を感じてしまうわけです。

希望についても同じことがいえると思うのです。

その人がどんな状況であろうとその人の心が希望を感じることができれば

に希望があるわけです。

つまり、希望のない世の中なんて存在しないと思うのです。

それは希望を持たない心あるだけだと思うのです。

そう考えれば、どんなに苦しい状況でも心の持ち方によって希望を持つことができると思うのです。

前述のホーキング博士は僕にとって大きな希望なのです。

あのほとんどと言って良いほど人間としての機能を失った身体で世界最高の物理学者にもなることが

できるということを僕に証明してくれたのですから・・

僕がホーキング博士を尊敬するのは、彼が先天性の病気ではないからです。

先天的に機能がなかったわけではないという部分です。

それはつまり発症した二十歳以降、どんどん身体の機能を「喪失」していたことを示すからです。

おそらくその「喪失感」たるや想像を絶するほど苦しかったに違いないと思うのです。

日に日に体の機能が失われてゆく・・・

今日できたことが、明日できなくなる・・こんな恐ろしいことがあるだろうか

これはよく引き合いに出される「五体不満足」で有名な乙武君とは違う苦しみです。

なぜなら「以前普通にできていたのに・・」という記憶が存在してあるがために胸をえぐられるような

「喪失感」に苛まれるからです。僕自身、目の前の右半身に健常な頃の「左半身が存在している」ことに

苦しみました。「左半身もこんな風に動いていたのに・・」と思ってしまうことが辛いのです。

そして最後には顔の動きと目の動きだけでしかコミュニケーションができなくなってしまったのです。

そんな想像を絶する苦しい状況のなかでアインシュタインを上回るといわれる

一般相対性理論が破綻する特異点の存在を証明した特異点定理を導き出し、世界最高の物理学者と

なったのです。

ホーキング博士の存在を知ったことが僕に大きな勇気を与えてくれました。

これからも自分の狭い小さな価値観だけで苦しむのは止めにしようと思う。

「知る」ことによって道は開けるのだから・・

「知る」ことによって地獄と思っていた自分の状況がとてもラクなんだに感じることができるから・・