油 断

僕は脳出血によって油断することができない人生を与えられたと思っている。

人の心というものは不思議なものでどんなに困難なことでも物事が3年も続けてうまく行くと

どうしても心に油断が出てきがちなものであると思う。

だから昔の人も「治に居て乱を忘れず」という心構えを解いてくれている。

僕は脳出血によって自分が出血性のモヤモヤ病による脳出血だということを知った。

そして一度出血すると10年以内の再出血の確率が61%もあるという。

正に油断大敵である。油断が即死につながる。

そのことを知ったときには本当に怖かった。

それでもこの2年半出血する様子は全くなかった

(もちろん出血しそうかどうかなんて分からないのだから察知できるわけがないのだが・・)

そうすると不思議なもので僕の心の中に油断が出てきているように感じる。


でも、僕の場合後遺症という形で強烈な痺れや肢体麻痺が残った。

だから強烈な痺れや痛みに襲われるときにはその苦しみから「もしかしたら」という

死の恐怖が僕の心の中を襲って来る

そうするとおのずと慎重になってしまう。「油断はできない」という気持ちになる。

日常生活でも少し油断すると転倒して大けがとする危険が常に伴っている。

だから歩いているときさえ、心を油断することはできない。

そんな状況だから心のどこかに「いつ再出血して死ぬかもしれない」という思いがある。

だからこそ、1日1日物事をするにあたって油断したくても油断できなくなっている。

そのことは僕にとって、物事に常に真剣に取り組むという姿勢を与えてくれているような気がする。

油断することができない人生を与えてもらったと思えばよい。

結果として、人一倍真剣に物事に取り組むことができるのだから。。