苦の根源

自分はなぜこんなに苦しんでいるのか。

脳卒中で障害者となってからというもの、
会社の倒産、自己破産という苦境や四六時中襲って来くる痛みとの闘いの中で、そんなことを考えざるを得なかった。

そして自分だけでなく、人はなぜ苦しむのか。

人は生まれてから誰しも病、傷、老い、やがては死を迎える。

この業からは誰も逃れることはできない。にもかかわらず、

人は皆逃れようとする。

そして逃れることができない。

だから苦しむのだ。

自分だけがその業から逃れようとして

結果として他人を傷付けることになったりして、

そこに憎しみや怒りや悲しみが生まれる。

そしてさらに精神的に苦しまなければならなくなる。


ではなぜ人は病、傷、老い、死というものから逃れることができないのか

それは西洋の思想のような神が与えた試練のようなものでもないと僕は思う。

神など存在しない。

生きとし生けるものにとって病も傷も老いもそして死も自然の摂理なのだ。

どんな生き物もやがては病によって老い朽ち果て、やがて死ぬ。

このことはことは自然の摂理なのだ。

僕が脳出血になったことも自然の摂理の中のひとつなのだ。

だから、恐れることも、気に病む必要はないのだ。

恐れるから苦しむのだ。

全ては皆大宇宙の自然の理法に従っているだけなのだ。

生きもの同士が弱肉強食という争いを行うこと自体も自然の理法なのだ。

そして負けたものが命を奪われ、勝ったものが負けたらものの命を食らって生き延びる。

そんなことさえ決して罪でもないのだ。単なる自然の摂理なのだ。

自然災害も自然の摂理なのだ。

人間はなまじ知識や知恵があるから、そこから逃れようとする。

そして逃れることが出来ないから苦しむ。

それに逆らうから苦しむのだ。

それを恐れるから苦しむのだ。


死さえに恐れる必要は無いのだ。


そんなことに気付いたからといって目の前の問題が解決するわけでもないけれど、

少なくとも「恐れ」からくる焦りのような気持ちがなくなることによって、

素直な気持ちで物事を捉え判断できるようになるのではないかと思う。