約束

この世の中、人間社会は、すべて人と人との約束の上に成り立っていると言っても過言ではない。
友人との待ち合わせの時間の約束から金銭物品の貸借の約束、さらには社内規則や国家の法律というものも
お互いの生活を秩序正しく円滑にするための一つの大事な約束ごとであると思う。

約束はお互いの信頼関係の上に成り立つものである。だからこれらの約束を守るか守らないかは人間の精神の高さを示す一つのバロメーターであり、道義とか道徳というも、こうした約束事を守るところからでないと
始まらないと思う。

自分に都合が悪くなったからといって平気で約束を破ると言うのは、これはもう獣の世界である。
この約束を守るという気持ちが弱くなったら社会が混乱し大きなマイナスになる。
単に待ち合わせの時間を無駄にするというようなことでは済まされなくなる。
どんな事情があろうとも、無断で約束を破ることは決定にやってはいけないことだと思う。
やむにやまれず約束を守れない事態になったなら、それをきちんと伝えるべきである。
そういう姿勢が逆にさらなる信頼を生むものであると思う。
今回の尖閣諸島衝突事件のビデオを無断で公開した海上保安官の本当の気持ちはどうなのだろうか。
中国に対する政府の対応の仕方に最前線で頑張ってきた海上保安官としてはやり切れない気持ちで
公開に踏み切ったのだろう。きっとまじめで優秀な海上保安官ではなかったのだろうか
まじめだからこそ、やむにやまれぬ気持ちになってしまったのではないだろうか。
人情としては理解はできる。しかし国家の防衛にあたる海上保安官が法律を破るということが
どういうことを引き起こすのかもう少し熟慮して欲しかったと思う。
当然のことながら、他の海上保安官全員が疑われしまう状態にしてしまったのである。
しかも、「オオカミ少年」と同じように一度こいうことがあると他にも同じようなことが
起こるのではないかという不必要な疑念を持たれしまい、活動がやりにくくなるのは自明の理である。

さらに大きな問題は今回の件で、海外(特に同盟国であるアメリカや西欧諸国)に対して
日本の守秘体制に対する信頼は失墜してしまったと思う。

この海上保安官は法律(約束)を破ってしまたのだから、法治国家である以上犯罪となってしまう。
この海上保安官のこんな行動に解説して駆り立ててしまった政府の責任は重い。

今回の問題は、このビデオが日本にとって重要機密であるかどうかという問題以前に、
約束を守ることができる国なのかそうでないのかという次元の問題だと私は思います。
約束事をすぐに反故にする中国のことをとやかく言えないのではないだろうか。