現在、脱原発を目指して、政府も含め再生エネルギーの活用方法について模索しています。
あのソフトバンクの孫正義さんも、全国の休耕田を利用した太陽光発電による
メガソーラープロジェクトを提唱しています。
しかし現実には太陽光発電を含め、再生可能エネルギーの利用はコストが高く
原発に変わる代替エネルギーにはなり得ないと言われている専門家もたくさんいます。
しかし私の考えは補助電源として活用することにより十分電力をカバーすることが
できるのではないだろうかと考えています。
これから記述することは私が発明したことでもなく考え出したことでもありません。
あくまでも人様(特に優秀な中小企業の技術者の方々)が努力に努力を重ね、
開発された技術の情報を組み合わせてみたものです。
まずどんなシステムを考えているのか簡単に説明します。
以前から何度か書いている記事と重複している部分が多々ありますので再度整理します。
それは「再生可能エネルギーによる発電(太陽光発電や風力発電)+大容量・長寿命の備蓄用蓄電池」を全国の地方自治体に災害時などの補助電源用に設置する」というものです。
確かに太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用だけで原発ほどの
電力を確保しようとすると当然不可能に近いような膨大な太陽光発電モジュールや風力発電システム
の設置が必要になってきます。
実際に太陽光発電モジュールだけでシミュレーションしてみました。
現状の一般的な太陽光発電モジュールの場合1000KW発電するためには、8000㎡のパネルが必要です。
現在日本での原子力発電による発電量は約5000万KWですので単純に計算すると40億㎡の太陽光発電パネ
ルを設置しなければならないことになります。40億㎡といってもピンとこないですが、
東京ドームで約5万㎡ですので、東京ドーム8000個分の太陽光パネルの設置が必要になる
ということになります。
このことだけでも非常に困難であることは素人でもある程度分かると思います。
しかしこれは全ての電力を太陽光発電モジュールで賄うと想定した場合です。
僕は今回の震災のような災害時の補助電源としての利用の普及を徐々に増やして行くことで、
時間かかりますが最終的には可能ではないかと考えています。
しかし別の大きな問題があります。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電システムはいろいろと開発されていま
すが、大きな問題の一つとして電力供給が不安定であるということがあります。
例えば太陽光なら夜は発電できず昼間しか発電不可能です。
曇りの日と雨の日では発電量が全く変わってしまいます。
風力発電についても同様に常に一定の適度な風が吹いているわけではありません。
特に風力発電の場合、落雷などによる事故が多く発生しております。
こういった不安定な電力を送電線に送電した場合どうなるか。
送電線に逆潮流が起こり、電圧低下などの電力変動による瞬停など送電線への悪影響が懸念されます。
これは資源エネルギー庁でも既に想定されておりこれがかなり大きな悪影響を与え、
大きな電力損失になるそうで損失想定は10ギガワットだそうです。
世間では太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーによる発電システムは注目されていますが、
この問題については専門家の間でも意外と知られていません。
NASバッテリーを凌ぐ高性能大容量蓄電池
この問題の解決策として非常に重要になるのが「大容量の備蓄が可能なバッテリー」です。
この点については資源エネルギー庁も認識しており、これまでNAS電池の開発と普及を進めようとしています。(NAS電池の特許は東京電力が持っており、日本ガイシが製造している)
こういった蓄電池に必要な要件は携帯電話や自動車のバッテリなどのような
ポータビリティやエネルギー密度ではありません。
求められるのは下記の2点です。
1.大容量で安全であること
2.大容量で長寿命であること。
さらに言えば低コストであることです。
しかし従来のバッテリーは大型化すれば大型化するほど火災事故や爆発などの危険性が伴います。
特にハイブリッドカーなどの次世代蓄電池として注目を集めているエネルギー密度の高いリチウムイオ
ン電池などに10メガワット以上蓄電しようとしたらその蓄電池の近隣には住民が住めないほど危険に
なってしまいます。
なぜなら金属リチウムは空気中で自然発火するほど酸化されやすい金属なので火災が起こると
そこら中が火の海になる可能性があるのです。
そこで資源エネルギー庁が注目しているのがNASバッテリーというものです。
NASバッテリとは、マイナス極にはナトリウム(Na)が、プラス極には硫黄(S)が特殊セラミックスで仕切られて存在しています。
NAS電池に電気を通すとナトリウムイオンが発生し、硫黄との化学反応により放電が起こります。充電する場合はその逆で、
ナトリウムイオンの受け渡しにより放電、充電が行われるというものです。
このNAS電池は従来の鉛蓄電池に比べてエネルギー密度が約3倍高く体積・重量が3分の1程度とコンパクトであり、
且つ期待寿命は15年(4500サイクル)という特徴を持っているため最有力とされています。
まず安全性については、リチウム日本電池ほど危険ではありませんが、電極に使用しているナトリウム
金属は極めて活性が高く水に反応して爆発を起こすため爆発火災危険があります。
実際に2010年2月15日に日本ガイシが製造し、高岳製作所小山工場に設置されたNAS電池が火災を発生し
ています。
しかしこのNAS蓄電池よりも長寿命で安全性も高いバッテリーがレドックスフローバッテリーというもの
です。
これはもともとアメリカのNASAが開発した蓄電システムです。
これはイオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行させて充電と放電を行う流動電池です。
現在実用化されているのはバナジウムイオン電池です。
両極にバナジウムイオン電解液を満たしただけのものです。
このバッテリーの大きな特徴は従来の鉛蓄電池のように鉛が「溶けた」鉛イオンが移動するわけではないということです。
両極の電解液の電荷の差から「電子だけ」が移動するのです。
そのため鉛イオンが溶けて移動する鉛蓄電池のように両極の電極の鉛が腐食して電極が3年4年でヘタるようなことがないのです。
世界の実績では18年で3%の劣化だそうで、事実上なんと30年能力維持できるというすぐれものです。
この電池の最大の長所は 安全性と安全性と長寿命です。
■長寿命
まず、電極がバナジウムイオン溶液なので鉛蓄電池のように鉛の電極が3年でヘタるようなことはなく
世界の実績では18年では3%の劣化だそうで、事実上なんと30年もの長期間能力を維持できるという優れものです。
■安全性
安全性から言えば両極が電荷の違うバナジウムイオン電解液だけなので他のバッテリのように化学反応を行わないため、発電や発火・爆発
などは絶対起こりません。(これは電池の仕組みを知っている人なら共通認識だそうです)
■環境にやさしい
利用し終えたバッテリー液(バナジウム電解質溶液)は廃棄する必要がなく、完全にリサイクルできるのです。
これほど優れた蓄電池なのでアメリカの大手企業、日本でも某電力会社と某大手化学メーカーが実用化に向けて改良に向けて開発に着手したそうです。
しかし残念がら途中で開発がストップしてしまったようです。
その理由は日本では資源エネルギー庁の方針がNASバッテリーの開発に傾いたため開発助成金がストップ
したという理由もありますが、技術的な問題としてもバナジウムイオン電解液の安定した精製技術の開
発が非常に難しく研究開発設備だけでも莫大なコストがかかえるという面がたからだそうです。
ところがこのバナジウムイオン溶液の安定した精製方法を既に開発に成功している会社が中小企業既に
存在しているのです。4月にその企業に訪問して来ましたがやはり中小企業であるがゆえに研究開発資
金に苦労しているようでした。しかし小規模ではあっても大手企業や電力会社でさえ断念した精製方法を既に開発に成功しているのです!
このレドックスフローバッテリーの仕組みであれば学校のプールでさえ有効活用できるのです。
しかこのレドックスフローバッテリーは、出力セルの枚数を増やすだけで理論的にはいくらでも大きな
出力の電力の充放電ができるというのです!
上記の図は学校のプールを利用したイメージ図ですがこのように各市町村の小学校に蓄電池として常備することも可能なのです。
このレドックスフローバッテリーと再生可能エネルギーを利用した発電システム(太陽光発電や風力発
電)を組み合わせ、各地方自治体や市町村別に設置すればエネルギーの地産地消が近い将来本格的に可能になるのではないかと考えています。
■再生可能エネルギーを利用した発電システムの開発状況について
1.太陽光発電モジュール
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電システムについても中小企業で非常に優れた技術開発がされています。
以前の記事と重複してしまいますが、太陽光発電モジュールについても現在の一般的な見解としては高コストで
(照射角度などにより発電効率が大きく変動するとか高温に弱いなど)不安定であると言われています。
しかしそれを克服できそうな太陽光発電モジュールが存在しています。
アモルファス非晶径という厚さがたった1mmという薄膜太陽光発電モジュールです
これ自体は以前から存在していたのですが、
発電効率が悪いという理由からメジャーになってきませんでした.
■アモルファス非晶径薄膜太陽光発電モジュールの利点
しかしこのアモルファス非晶径薄膜太陽光発電モジュールは発電効率がせいぜい8%ですが
結晶形ではなくで分子配列が規則正しくないことで入射した太陽光が乱反射してしまうことによって発電効率がそれ以上落ちない
のです。つまり、発電効率が低いが、安定していると言えるのです。
さらにこの乱反射することが照射角度の影響も少なくしてしまっているのです。
なんと照射角度はほとんど0度に近い状態でも発電するのです。つまり結晶系の太陽光モジュールではほとんど発電できないような夕方や朝方の太陽光でも発電ができるのです。
しかも薄膜なので超軽量であるため、巨大な屋根に設置できるのです。
発電効率が低くても巨大な屋根に設置することができれば総発電量としては多くの電力を確保することができるのです。
さらに超軽量であるため屋根に負担がかからないため、専用の架台などの必要もなくどんな曲面にも簡単に設置できるのです。
このような設置方法は設置コスト低減に大きく貢献します。
ソフトバンクの孫正義さんが進めようとしている休耕田に従来の太陽光発電パネルを設置しようとすると、どうしても架台の設置が必要になります。休耕田へのこのような架台の建設だけでもメガソーラーレベルを確保するための面積を設置しようとすれば膨大なコストがかかります。
また老朽化して、除去するときにも大きなコストがかかります。
また屋根にメガソーラーレベルの従来の太陽光モジュールを設置しようとすればその重量だけでも膨大な重さになり、屋根の構造さえも
変えなければならないというコストまで使ってしまう可能性があるのです。
以前の記事でも計算してますがメガソーラーレベルの従来の太陽光モジュールを設置しようとした場合に必要な設置面積と太陽光発電パネルの重量は以下の通りになります。
●薄膜太陽光発電モジュールでメガソーラーを実現するために必要な想定面積と重量
1kw当たり面積が25㎡程度必要としますので25㎡×1000kw=25000㎡となります
が重量は屋根設置の場合でも 1 ㎡ 当たり8.5kgなので25000㎡×8.5kg=212.5t程度で済みます
●一般的な結晶系太陽光モジュールでメガソーラーを実現するために必要な想定面積と重量
1kw当たり面積が8㎡程度必要ですので8㎡×1000kw=8000㎡となります。
また重量は屋根設置の場合でも架台が必要になりますので
1 ㎡ 当たり30kg程度となり8000㎡×30kg=2400tもの重量になってしまいます。
上記のようにこれまでのような太陽光発電モジュールの場合、メガソーラーを実現するために
必要な想定面積の設置をしようとするとその重量のため、屋根の構造自体を根本的に変えて
しまわなくてはならなくなり大きなコストがかかる可能性があるのです。
薄膜太陽光モジュールの場合軽さのおかげで、屋根に設置する場合屋根の構造を変える必要もないのです。
このような薄膜太陽光発電モジュールを利用して全国各地の産業用のビルや工場、あるいは倉庫の空いている屋根をレンタルなどして設置すれば相当の発電量が得られるはずだと思うのです。
設置事例
駐車場のTIMESPARKのような方法で所有者から未活用で空いている巨大工場や巨大倉庫の屋根をレンタルして、
発電し売電すればビジネスとしても十分成り立つと思います。
(但し現在国会で討論されている電力全量買い取り制度の法案が通ればの話ですが、、、)
2.最新風力発電システム
こちらも以前の記事でも紹介しましたが、WINDTOWERと呼ばれるもので風力発電できるシステムが開発されています。
この風力発電システムは従来の常識を完全に覆しているすごい技術です
通常風力発電は風車を使っているため一定以上の風速の風が一定の方向から吹かないと十分な発電ができません。
しかも風車による風力発電は以下のようなさまざまな問題を抱えています
・低周波振動の騒音公害
・落雷にによる故障の頻発
・膨大な建設コスト
ところがこの僕が見つけた企業の風力発電はどんな微風でも発電できる
のレベルまでの強風を作ることができるのです!
さらに驚くべきことにどの方向から風が吹いても発電できるのです
下記の画像を見てください。
タワー型最新型風力発電システムイメージ図
これは建設できたときのイメージです。
高さ50メートルというかなり巨大な建築物です。
僕は、これのミニチュア版(高さ5mほどの)パイロットマシンを4月に見学してきました。
驚いたのはこの塔に向かって吹く風はどんな微風でも全てこの塔の中に入り込むのです。
そして驚くことに塔の中で強風になるのです!
この会社が世界で初めて開発した集風装置なのだそうです
弱い風でも集めて同じ方向の強風にしてしまうのです。しかも強風でも風車型のように倒れたりすえることもありません。
つまりこれまでの風車型の風力発電の場合、一定以上の風速が無ければ発電できないだけではなく
逆に強風の場合倒れてしまうという事故が多発していますがそのような懸念は一切ないのです。
おそらくこの風力発電タワーが実現すれば、現在の風車型の風力発電装置の何倍もの
発電が可能だろうと思われるような画期的な風力発電システムだと言えるでしょう。
■小水力発電システム
これまで水力発電システムといえば、巨大ダムなどを使って高所から落ちる水のエネルギーを使って
水車を回しタービンを回すというものでしたのでダム建設という膨大なコストがかかりました。
これと全く違う水力発電システムを開発している企業があります。
ダムなど建設しなくても、川の流れや海の潮流だけで、
タービンを回し発電できるようなエネルギーを取り出す技術を開発している会社があるのです。
下の図が水流にからエネルギーを取り出すために開発された
小水力発電用水車ブレード設置イメージです
小水力発電用水車ブレード設置イメージ図(3DCADによる設計図)
このブレードでは>論理的にはエネルギー取得効率は90%以上になるということです。
つまりこのブレードを水流のある水の中に沈めておけばよいのです。
巨大なダムなど建設する必要もないのです。
極端な話、太平洋に沈めておけば黒潮の流れで発電ができてしまうのです。
あるいは地方の小さな河川でも十分発電可能なのです。
こんなものまで開発している企業があるのです。
これらの再生可能エネルギーを利用した発電システムと前述の大容量・長寿命且つ安全性の高いというレドックスフロー蓄電池を組み合わせ全国の全国の各自治体や市町村に設置すれば、再生可能エネルギーだけで十分なエネルギーを賄うができるのではないか思っています。
具体的には風の強い東北地方の自治体にはタワー型風力発電を設置、太陽の照射角度の高い西日本以西
・以南には薄膜太陽光発電パネルを産業用の工場や倉庫の屋根をレンタルして設置、発電した電力は売電するといような空き土地をレンタルして駐車場ビジネスを展開しているTIMES PARKのようなビジネスモデルで展開し、発電電力全国の地方自治体や市町村に設置したレドックスフロー蓄電池に売電し蓄電、電力不足時に必要に応じて放電するというようなしくみができれば、かなり脱原発を促進できるのではないかと考えています。
現在、国会では>電力会社の独占を阻止するため発電・送電会社分離の議論が激しく行われています。
こんなプロジェクトを国家レベルで予算を出して進めることができないのだろうかと思っています。
「安全な?原発」のために電力会社に膨大な予算を投下するよりも、こういった最先端の技術を持つ中小企業に資本投下すべきではないかと感じています。
以上が僕の「夢見る」、そして実現可能と考える具体的構想です。
こういった具体的な施策を推し進め、最終的にはエネルギーの地産地消を目指すべきだと考えています
以上が僕の考える、そして今進めつつある実現可能な再生可能エネルギー具体的活用方法とその具体的構想 です
あのソフトバンクの孫正義さんも、全国の休耕田を利用した太陽光発電による
メガソーラープロジェクトを提唱しています。
しかし現実には太陽光発電を含め、再生可能エネルギーの利用はコストが高く
原発に変わる代替エネルギーにはなり得ないと言われている専門家もたくさんいます。
しかし私の考えは補助電源として活用することにより十分電力をカバーすることが
できるのではないだろうかと考えています。
これから記述することは私が発明したことでもなく考え出したことでもありません。
あくまでも人様(特に優秀な中小企業の技術者の方々)が努力に努力を重ね、
開発された技術の情報を組み合わせてみたものです。
まずどんなシステムを考えているのか簡単に説明します。
以前から何度か書いている記事と重複している部分が多々ありますので再度整理します。
それは「再生可能エネルギーによる発電(太陽光発電や風力発電)+大容量・長寿命の備蓄用蓄電池」を全国の地方自治体に災害時などの補助電源用に設置する」というものです。
確かに太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用だけで原発ほどの
電力を確保しようとすると当然不可能に近いような膨大な太陽光発電モジュールや風力発電システム
の設置が必要になってきます。
実際に太陽光発電モジュールだけでシミュレーションしてみました。
現状の一般的な太陽光発電モジュールの場合1000KW発電するためには、8000㎡のパネルが必要です。
現在日本での原子力発電による発電量は約5000万KWですので単純に計算すると40億㎡の太陽光発電パネ
ルを設置しなければならないことになります。40億㎡といってもピンとこないですが、
東京ドームで約5万㎡ですので、東京ドーム8000個分の太陽光パネルの設置が必要になる
ということになります。
このことだけでも非常に困難であることは素人でもある程度分かると思います。
しかしこれは全ての電力を太陽光発電モジュールで賄うと想定した場合です。
僕は今回の震災のような災害時の補助電源としての利用の普及を徐々に増やして行くことで、
時間かかりますが最終的には可能ではないかと考えています。
しかし別の大きな問題があります。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電システムはいろいろと開発されていま
すが、大きな問題の一つとして電力供給が不安定であるということがあります。
例えば太陽光なら夜は発電できず昼間しか発電不可能です。
曇りの日と雨の日では発電量が全く変わってしまいます。
風力発電についても同様に常に一定の適度な風が吹いているわけではありません。
特に風力発電の場合、落雷などによる事故が多く発生しております。
こういった不安定な電力を送電線に送電した場合どうなるか。
送電線に逆潮流が起こり、電圧低下などの電力変動による瞬停など送電線への悪影響が懸念されます。
これは資源エネルギー庁でも既に想定されておりこれがかなり大きな悪影響を与え、
大きな電力損失になるそうで損失想定は10ギガワットだそうです。
世間では太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーによる発電システムは注目されていますが、
この問題については専門家の間でも意外と知られていません。
NASバッテリーを凌ぐ高性能大容量蓄電池
この問題の解決策として非常に重要になるのが「大容量の備蓄が可能なバッテリー」です。
この点については資源エネルギー庁も認識しており、これまでNAS電池の開発と普及を進めようとしています。(NAS電池の特許は東京電力が持っており、日本ガイシが製造している)
こういった蓄電池に必要な要件は携帯電話や自動車のバッテリなどのような
ポータビリティやエネルギー密度ではありません。
求められるのは下記の2点です。
1.大容量で安全であること
2.大容量で長寿命であること。
さらに言えば低コストであることです。
しかし従来のバッテリーは大型化すれば大型化するほど火災事故や爆発などの危険性が伴います。
特にハイブリッドカーなどの次世代蓄電池として注目を集めているエネルギー密度の高いリチウムイオ
ン電池などに10メガワット以上蓄電しようとしたらその蓄電池の近隣には住民が住めないほど危険に
なってしまいます。
なぜなら金属リチウムは空気中で自然発火するほど酸化されやすい金属なので火災が起こると
そこら中が火の海になる可能性があるのです。
そこで資源エネルギー庁が注目しているのがNASバッテリーというものです。
NASバッテリとは、マイナス極にはナトリウム(Na)が、プラス極には硫黄(S)が特殊セラミックスで仕切られて存在しています。
NAS電池に電気を通すとナトリウムイオンが発生し、硫黄との化学反応により放電が起こります。充電する場合はその逆で、
ナトリウムイオンの受け渡しにより放電、充電が行われるというものです。
このNAS電池は従来の鉛蓄電池に比べてエネルギー密度が約3倍高く体積・重量が3分の1程度とコンパクトであり、
且つ期待寿命は15年(4500サイクル)という特徴を持っているため最有力とされています。
まず安全性については、リチウム日本電池ほど危険ではありませんが、電極に使用しているナトリウム
金属は極めて活性が高く水に反応して爆発を起こすため爆発火災危険があります。
実際に2010年2月15日に日本ガイシが製造し、高岳製作所小山工場に設置されたNAS電池が火災を発生し
ています。
しかしこのNAS蓄電池よりも長寿命で安全性も高いバッテリーがレドックスフローバッテリーというもの
です。
これはもともとアメリカのNASAが開発した蓄電システムです。
これはイオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行させて充電と放電を行う流動電池です。
現在実用化されているのはバナジウムイオン電池です。
両極にバナジウムイオン電解液を満たしただけのものです。
このバッテリーの大きな特徴は従来の鉛蓄電池のように鉛が「溶けた」鉛イオンが移動するわけではないということです。
両極の電解液の電荷の差から「電子だけ」が移動するのです。
そのため鉛イオンが溶けて移動する鉛蓄電池のように両極の電極の鉛が腐食して電極が3年4年でヘタるようなことがないのです。
世界の実績では18年で3%の劣化だそうで、事実上なんと30年能力維持できるというすぐれものです。
この電池の最大の長所は 安全性と安全性と長寿命です。
■長寿命
まず、電極がバナジウムイオン溶液なので鉛蓄電池のように鉛の電極が3年でヘタるようなことはなく
世界の実績では18年では3%の劣化だそうで、事実上なんと30年もの長期間能力を維持できるという優れものです。
■安全性
安全性から言えば両極が電荷の違うバナジウムイオン電解液だけなので他のバッテリのように化学反応を行わないため、発電や発火・爆発
などは絶対起こりません。(これは電池の仕組みを知っている人なら共通認識だそうです)
■環境にやさしい
利用し終えたバッテリー液(バナジウム電解質溶液)は廃棄する必要がなく、完全にリサイクルできるのです。
これほど優れた蓄電池なのでアメリカの大手企業、日本でも某電力会社と某大手化学メーカーが実用化に向けて改良に向けて開発に着手したそうです。
しかし残念がら途中で開発がストップしてしまったようです。
その理由は日本では資源エネルギー庁の方針がNASバッテリーの開発に傾いたため開発助成金がストップ
したという理由もありますが、技術的な問題としてもバナジウムイオン電解液の安定した精製技術の開
発が非常に難しく研究開発設備だけでも莫大なコストがかかえるという面がたからだそうです。
ところがこのバナジウムイオン溶液の安定した精製方法を既に開発に成功している会社が中小企業既に
存在しているのです。4月にその企業に訪問して来ましたがやはり中小企業であるがゆえに研究開発資
金に苦労しているようでした。しかし小規模ではあっても大手企業や電力会社でさえ断念した精製方法を既に開発に成功しているのです!
このレドックスフローバッテリーの仕組みであれば学校のプールでさえ有効活用できるのです。
しかこのレドックスフローバッテリーは、出力セルの枚数を増やすだけで理論的にはいくらでも大きな
出力の電力の充放電ができるというのです!
上記の図は学校のプールを利用したイメージ図ですがこのように各市町村の小学校に蓄電池として常備することも可能なのです。
このレドックスフローバッテリーと再生可能エネルギーを利用した発電システム(太陽光発電や風力発
電)を組み合わせ、各地方自治体や市町村別に設置すればエネルギーの地産地消が近い将来本格的に可能になるのではないかと考えています。
■再生可能エネルギーを利用した発電システムの開発状況について
1.太陽光発電モジュール
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電システムについても中小企業で非常に優れた技術開発がされています。
以前の記事と重複してしまいますが、太陽光発電モジュールについても現在の一般的な見解としては高コストで
(照射角度などにより発電効率が大きく変動するとか高温に弱いなど)不安定であると言われています。
しかしそれを克服できそうな太陽光発電モジュールが存在しています。
アモルファス非晶径という厚さがたった1mmという薄膜太陽光発電モジュールです
これ自体は以前から存在していたのですが、
発電効率が悪いという理由からメジャーになってきませんでした.
■アモルファス非晶径薄膜太陽光発電モジュールの利点
しかしこのアモルファス非晶径薄膜太陽光発電モジュールは発電効率がせいぜい8%ですが
結晶形ではなくで分子配列が規則正しくないことで入射した太陽光が乱反射してしまうことによって発電効率がそれ以上落ちない
のです。つまり、発電効率が低いが、安定していると言えるのです。
さらにこの乱反射することが照射角度の影響も少なくしてしまっているのです。
なんと照射角度はほとんど0度に近い状態でも発電するのです。つまり結晶系の太陽光モジュールではほとんど発電できないような夕方や朝方の太陽光でも発電ができるのです。
しかも薄膜なので超軽量であるため、巨大な屋根に設置できるのです。
発電効率が低くても巨大な屋根に設置することができれば総発電量としては多くの電力を確保することができるのです。
さらに超軽量であるため屋根に負担がかからないため、専用の架台などの必要もなくどんな曲面にも簡単に設置できるのです。
このような設置方法は設置コスト低減に大きく貢献します。
ソフトバンクの孫正義さんが進めようとしている休耕田に従来の太陽光発電パネルを設置しようとすると、どうしても架台の設置が必要になります。休耕田へのこのような架台の建設だけでもメガソーラーレベルを確保するための面積を設置しようとすれば膨大なコストがかかります。
また老朽化して、除去するときにも大きなコストがかかります。
また屋根にメガソーラーレベルの従来の太陽光モジュールを設置しようとすればその重量だけでも膨大な重さになり、屋根の構造さえも
変えなければならないというコストまで使ってしまう可能性があるのです。
以前の記事でも計算してますがメガソーラーレベルの従来の太陽光モジュールを設置しようとした場合に必要な設置面積と太陽光発電パネルの重量は以下の通りになります。
●薄膜太陽光発電モジュールでメガソーラーを実現するために必要な想定面積と重量
1kw当たり面積が25㎡程度必要としますので25㎡×1000kw=25000㎡となります
が重量は屋根設置の場合でも 1 ㎡ 当たり8.5kgなので25000㎡×8.5kg=212.5t程度で済みます
●一般的な結晶系太陽光モジュールでメガソーラーを実現するために必要な想定面積と重量
1kw当たり面積が8㎡程度必要ですので8㎡×1000kw=8000㎡となります。
また重量は屋根設置の場合でも架台が必要になりますので
1 ㎡ 当たり30kg程度となり8000㎡×30kg=2400tもの重量になってしまいます。
上記のようにこれまでのような太陽光発電モジュールの場合、メガソーラーを実現するために
必要な想定面積の設置をしようとするとその重量のため、屋根の構造自体を根本的に変えて
しまわなくてはならなくなり大きなコストがかかる可能性があるのです。
薄膜太陽光モジュールの場合軽さのおかげで、屋根に設置する場合屋根の構造を変える必要もないのです。
このような薄膜太陽光発電モジュールを利用して全国各地の産業用のビルや工場、あるいは倉庫の空いている屋根をレンタルなどして設置すれば相当の発電量が得られるはずだと思うのです。
設置事例
駐車場のTIMESPARKのような方法で所有者から未活用で空いている巨大工場や巨大倉庫の屋根をレンタルして、
発電し売電すればビジネスとしても十分成り立つと思います。
(但し現在国会で討論されている電力全量買い取り制度の法案が通ればの話ですが、、、)
2.最新風力発電システム
こちらも以前の記事でも紹介しましたが、WINDTOWERと呼ばれるもので風力発電できるシステムが開発されています。
この風力発電システムは従来の常識を完全に覆しているすごい技術です
通常風力発電は風車を使っているため一定以上の風速の風が一定の方向から吹かないと十分な発電ができません。
しかも風車による風力発電は以下のようなさまざまな問題を抱えています
・低周波振動の騒音公害
・落雷にによる故障の頻発
・膨大な建設コスト
ところがこの僕が見つけた企業の風力発電はどんな微風でも発電できる
のレベルまでの強風を作ることができるのです!
さらに驚くべきことにどの方向から風が吹いても発電できるのです
下記の画像を見てください。
タワー型最新型風力発電システムイメージ図
これは建設できたときのイメージです。
高さ50メートルというかなり巨大な建築物です。
僕は、これのミニチュア版(高さ5mほどの)パイロットマシンを4月に見学してきました。
驚いたのはこの塔に向かって吹く風はどんな微風でも全てこの塔の中に入り込むのです。
そして驚くことに塔の中で強風になるのです!
この会社が世界で初めて開発した集風装置なのだそうです
弱い風でも集めて同じ方向の強風にしてしまうのです。しかも強風でも風車型のように倒れたりすえることもありません。
つまりこれまでの風車型の風力発電の場合、一定以上の風速が無ければ発電できないだけではなく
逆に強風の場合倒れてしまうという事故が多発していますがそのような懸念は一切ないのです。
おそらくこの風力発電タワーが実現すれば、現在の風車型の風力発電装置の何倍もの
発電が可能だろうと思われるような画期的な風力発電システムだと言えるでしょう。
■小水力発電システム
これまで水力発電システムといえば、巨大ダムなどを使って高所から落ちる水のエネルギーを使って
水車を回しタービンを回すというものでしたのでダム建設という膨大なコストがかかりました。
これと全く違う水力発電システムを開発している企業があります。
ダムなど建設しなくても、川の流れや海の潮流だけで、
タービンを回し発電できるようなエネルギーを取り出す技術を開発している会社があるのです。
下の図が水流にからエネルギーを取り出すために開発された
小水力発電用水車ブレード設置イメージです
小水力発電用水車ブレード設置イメージ図(3DCADによる設計図)
このブレードでは>論理的にはエネルギー取得効率は90%以上になるということです。
つまりこのブレードを水流のある水の中に沈めておけばよいのです。
巨大なダムなど建設する必要もないのです。
極端な話、太平洋に沈めておけば黒潮の流れで発電ができてしまうのです。
あるいは地方の小さな河川でも十分発電可能なのです。
こんなものまで開発している企業があるのです。
これらの再生可能エネルギーを利用した発電システムと前述の大容量・長寿命且つ安全性の高いというレドックスフロー蓄電池を組み合わせ全国の全国の各自治体や市町村に設置すれば、再生可能エネルギーだけで十分なエネルギーを賄うができるのではないか思っています。
具体的には風の強い東北地方の自治体にはタワー型風力発電を設置、太陽の照射角度の高い西日本以西
・以南には薄膜太陽光発電パネルを産業用の工場や倉庫の屋根をレンタルして設置、発電した電力は売電するといような空き土地をレンタルして駐車場ビジネスを展開しているTIMES PARKのようなビジネスモデルで展開し、発電電力全国の地方自治体や市町村に設置したレドックスフロー蓄電池に売電し蓄電、電力不足時に必要に応じて放電するというようなしくみができれば、かなり脱原発を促進できるのではないかと考えています。
現在、国会では>電力会社の独占を阻止するため発電・送電会社分離の議論が激しく行われています。
こんなプロジェクトを国家レベルで予算を出して進めることができないのだろうかと思っています。
「安全な?原発」のために電力会社に膨大な予算を投下するよりも、こういった最先端の技術を持つ中小企業に資本投下すべきではないかと感じています。
以上が僕の「夢見る」、そして実現可能と考える具体的構想です。
こういった具体的な施策を推し進め、最終的にはエネルギーの地産地消を目指すべきだと考えています
以上が僕の考える、そして今進めつつある実現可能な再生可能エネルギー具体的活用方法とその具体的構想 です