光触媒

光 触 媒

光触媒は窒素酸化物などの大気の汚染物質が接触すると、これらを分解してしまう。しかも水との相性がいいため、雨が降れば、表面についた汚れはすぐに流れ落ちてしまう。このためビルの外壁などに光触媒を組み込む技術が実用化されている。東京大学と東陶機器は光触媒をコーティングした外装タイルを開発している。

 資源環境技術総合研究所は大気汚染物質を光触媒で分解する研究を続けている。交通量の多い場所にあるビルの外壁などに光触媒をコーティングし、窒素酸化物などを除去してしまうという技術である。

 大気汚染物質を分解できる、そこにメーカーは大きな市場性を感じている。三菱マテリアル光触媒を表面にコーティングしたコンクリートブロックを開発した。光触媒は窒素酸化物を分解すると硝酸をつくるが、コンクリートアルカリ性なので中和し、無害化するという。

 ゼネコンもこの技術に注目している。建物の外壁に使えるからだ。フジタは太平洋セメント石原産業などと共同で、道路の表面に直接、光触媒を吹き付け、舗装するフォトロード工法を日本で初めて開発した。窒素酸化物などを除去するにはできるだけ光触媒接触する必要がある。道路に直接、光触媒を舗装すれば、その分、自動車の排ガスが光触媒に触れる割合が高くなるのだ。

 飛島建設と日本特殊塗料は酸化チタンを含んだ吸音材を開発している。交通量の激しい外壁などにこの吸音材を吹き付ける。窒素酸化物を分解し、自動車のうるさい音を抑制するアイデアだ。

 鹿島は廃棄物を再利用した素材に光触媒を塗布した外壁用タイルを開発した。タイルの材料は廃ガラスなどの廃棄物である。その表面に酸化チタンを塗って高温で焼き固めたもの。酸化チタンの開発製造は日本パーカライジング、タイル焼成と生産はダントーが担当した。

 光触媒を利用した大気汚染の浄化実験には交通量の激しい自治体が高い関心を持っている。大阪府などで最初に試みられた。川崎市は道路に光触媒を取り入れたブロックを設置した。千葉県は市川市でガードレール、外壁、吸音板などに光触媒を用いて、その大気浄化作用を測定する公開実験を1999年1月まで行った。このプロジェクトには昭和電工、川鉄建材、トウペ、日新製鋼古河機械金属飛島建設、日本特殊塗料が参加した。また2000年度からは光触媒を舗装した道路の実験を行う。

 光触媒は通常、焼き物などにコーティングして高い温度で焼き固める。

 しかし、これでは用途に限りがあると、塗料化する技術を開発した企業もある。塗料会社のオキツモと資源環境技術総合研究所は、光触媒に接着剤としてアルコキシシランという物質を混ぜて、塗料化した。アルコキシシランはシリカゲルなどの原料である。

 光触媒は非常に強力な分解能力をもっている。磁器やガラス以外に光触媒をコーティングすると、生地の素材をぼろぼろにしてしまうということでもある。このため光触媒と材料との間に中間層を設ける必要がある。日本曹達有機物と無機物を混ぜ合わせた中間材を開発し、効果をあげている。